賃貸と売買その1 〜H15・12・19〜
「金利も低いし、敷金礼金などを払って賃貸を借りるなら買っちゃったほうが・・・」
「買ったら住み替えにくいし、価格もまだ下がりそうだから借りてたほうが・・・」
これは若干言い回しに違いはあるにしろ、ご来店いただいた方からときどき聞くお言葉で、住み替えを考えているほとんどの方が一度は考えた事ではないでしょうか。

どちらの考えも間違いではないだけに正解というものはないのですが、お客様の状況的には逆の選択の方が良さそうな方もいらっしゃいます。
当社の営業形態としては売買と賃貸は両方とも均等に配分しているので、偏った方向へお勧めするのではなく雑談の中でそれとなく会話を交わしていると、検討された結果方向転換される方も意外に少なくないのです。

そこで、どのような方が方向転換されているのか簡単に考察してみました。
今回は賃貸から売買に方向転換された方のケースについて書いてみたいと思います。

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<賃貸→売買>
@ 購入価格が数千万円という大金から多額の返済を想像されていた方や、実際に売り出されていた物件が思いのほか安かった。

A お子様の入学にはまだ早いが、早い時期から地域に馴染んでおきたい方や、気に入った地域が見つかったのでそこで安定したかった。

B 家賃を数年払い続けたら、これから多少値下がりしてもほとんど差がなくなってしまうと思った場合。

C 転勤の可能性があり購入してしまう事に抵抗感があったが、定期借家契約の存在から移動が必要となった際にも安心して貸す事ができると思った。

D 家賃補助や社宅などがあり一般相場と比較して安い賃料で居住できる方が、住宅ローンの返済年数や物件価格の安さから買いの時期にあると判断した。


@は、例えば1000万円の住宅ローンを一般的な金利で最長期間で組んだ場合の支払いは3万5千円ほどで、家賃などの支払いが10万円ほどの場合は約3000万円近いローンに匹敵します。
また、中古マンションなどの場合は築年数や面積にもよりますが3LDKクラスでも2000万円を切ってくる物件も少なくないので、管理費・修繕積立金などを計算に入れても同等以下で購入する事が可能になってきます。

Aは、賃貸物件には定期借家や階段式家賃をはじめ、流動的な要素が大なり小なりついてまわりますので、安定した居住地の確保には購入する事が一つの方法となります。

Bは、仮に2000万円のマンションが1年間で5%値下がりするとし場合、金額に換算すると100万円ほどになります。コツコツと貯蓄した大きな100万円ではありますが、同じ期間10万円の家賃を払い続けたら120万円、8万円の家賃でも96万円の支払いをしている事を考え合わせると大差がなくなってしまいます。

Cは、定期借家契約が普及したのと比例して多くなったパターンです。基本的に通常の賃貸契約は継続する事が前提となっておりますが、定期借家契約は一定期間をもって契約終了する事が前提となっております。表現方法を変えると、一般的な賃貸契約が「更新」なのに対し定期借家契約は「再契約」となるわけです。

Dは、通常、住宅ローンの最長返済期間は35年となっており、それにより少ない返済金額で高額のローンを組む事がしやすくなっているのですが、定年が65歳の場合にその定年までに完済を目指すとしたら30歳で住宅ローンを組む必要がでてきます。もちろん退職金や再就職などにより、もっと高齢での完済までローンを組む事はできるのですが、その事に多少なりとも不安を感じている方もいらっしゃいます。35歳なら完済が70歳、40歳なら75歳での完済になる事を考えると、少しでも早い時期に購入したいと思われる方が少なくないのも理解できます。
更に、安定した収入のある方でしたら購入総額のほとんどをローンで賄える事と、その購入総額自体が安くなっている現実から多額の頭金を貯めなくても購入できるケースが多く、現在が安い賃料負担であったとしても購入に踏み切るケースが意外とあります。

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この他にも、税制の関係や家族構成上の関係、自営の方などは経営上の関係からも購入に方向転換するケースがあります。
これらに関しては様々な問題もあるのですが、それはまた機会があった時にでも書きたいと思います。


次回は、逆に売買から賃貸に方向転換されるケースと、個人的な感想を書かせていただきます。

(K)

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