価格 〜H16・3・23〜
ここ十数年間、不動産の価値は下がり続け「来年には、再来年には・・・」と回復を望まれ続け相当な期間が経過いたしました。

価格(以下、賃料も含む)は下がり「安く」なったのですが、物件を探している段階のお客様にとっては希望をすべて満たす物件は「高い」と思われる事でしょう。
また、ここ最近は言葉に出して「掘り出し物」を言われる方は少なくなりましたが、心の中ではそういう物件の出現を期待されている方も多くいると思います。

しかし残念ながら、いわゆる「掘り出し物件」という物はないのが現実です。
これは、価格が相対的な比較で値付けされ、探している方にとっての判断基準も相対的になっているからおこる事です。

物件を提供する側(以下、売主・貸主の意味)にとっての価格決定方法は、当然の事ながら相手方が特定されていない状況で募集するわけですから、一般相場と照らし価値の上下を判断して値付けを行う事になります。(この値付けに関してはもう少し掘り下げた説明もしたいのですが、ここでは本旨から大きく逸れてしまうので割愛いたします。)
一方、探している方にとってもこの部分は同様に、比較して「高い安い」を判断される事と思います。

前述した「高い」と感じられる理由には二通りあり、@本当に割高の物件と、A予算を超えている物件となります。
@は値付けの関係となり、どうしてこのような事が起こるのかは次回以降に説明いたしますが、Aのケースは探している方の誰もが感じている「高い」だと思います。

ほとんどの方が一定の予算を決めて物件を探されると思いますが、その予算を超えた物件は少なからず魅力の増えたものである事が多いです。
例えば、「駅に近い」「新しい」「広い」「利便性が高い」「立地環境が良い」などです。
魅力の多い物件は高いですが、この魅力の多い物件というのは定めた予算内の物件との相対的な比較であり、ご本人にとっての絶対的価値の判断とは違っているようです。

悩まれた上で、予算を上げる方もいらっしゃれば、条件を妥協する方もいらっしゃいます。
どちらもライフスタイル・ライフデザインに合わせた結論ですから、この時点での正解はないと思います。
ただ、予算を上げるのも妥協をするのも、ご自身の必要としている絶対的な価値を判断基準に盛り込んでいただきたいと思うのです。

値付けは相対的な価値判断で行っておりますが、これは不特定多数の方を想定しての事です。
ご自身にとって必要な要素と不必要な要素がバランス良く価格に反映した物件。
これこそが探されている方にとっての「掘り出し物件」なのではないかと考えます。


(K)

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